ka-noneの日記

先天性心疾患で産まれた娘の成長を2011年~2018年4月まで書きました。2019年から日記を再開しています。

団体と施設とそれに伴う福祉

赤ちゃんが心疾患だと分かってからの手術や治療が始まったらもうバタバタです。

ある程度落ち着くまで本当に気持ちの余裕なんてもんはありません。

もちろん時間も。

 ある程度落ち着いて退院になると、病院からもお話しがありますが医療費の手続きして下さいとお話しがあります。

 

 

会計窓口でその金額見ると、

 

 

え!

 

 

マジか?

 

 

ってなります。

 

 

何の手術かで医療費は変わってきますが、うちの場合だと一回の医療費での1番は500万円かかりました。

手術費用だけですよ。

入院費、食事代、その他の費用は抜いてです。

このかの場合、フォンタン終わるまでの手術費用は約12000万円です。

正直この金額払えるのか?ってなります。

そんな医療費を負担、免除してくれる制度があります。

 

 

 

 

» 育成医療福祉総合サイト「ハピネス」|知ることから始めよう、快適な社会作り。

 育成医療のリンクを貼っているのでご覧下さい。

もちろん厚生労働省にもありますが、掲載されているものは同じですよ。

 

 

 

 

 

www.shouman.jp

 小児慢性特定疾患のリンクを張っていますのでご覧下さい。

この小児慢性特定疾患、昨年の10月から乳児医療書が使えるようになったので家系的にすごく助かってます。

 

 

 

 

 

www.jhf.or.jp

 その他の費用については日本心臓財団のリンクを貼っているのでご覧下さい。

 

 

 

 

 

僕達親としては、ようやく退院できるようになって、〝ホット一息〟つきたい所ですが、やらなくてはいけない手続きです。

 まず、病院から受け取る各種書類に記入。

もちろん区役所でも受け取れます。

それから担当医に書いてもらう診断書をそろえて、区役所に持っていきます。

その時に必要なのは、印鑑、保険証と課税証明書が必ず必要なので忘れないようにして下さいね。

病院によっては、医師から受け取る診断書が1ヶ月位かかったりするので、それも頭に置いて手続きする事をオススメします。

だから、1つの手続きが完了するのに約1ヶ月。

それから手続きが終わり、医療書が家に届き病院へ提出、医療費が請求という流れです。

 

心疾患の種類や手術、カテで何を使うのかは病院で違うかも知れませんけど、このかの場合は、循環器で〝小児慢性特定疾患〟。

心臓血管外科で〝育成医療〟を使いました。

後は、乳児医療と高額医療を上手く使います。

 後、治療が長い場合は各医療書は更新が必要になります。

更新には期限があるので注意していきましょう。

 

このかの場合、特別児童扶養手当  と身体障害者手帳は申請しませんでした。そこは、それぞれの親の考え方があると思います。

損とか得とかではなく、その子にとって一番をご両親が考え決めるのが一番ではないかと個人的に思っているからです。

もっと言うと、僕らには当時このようなことを調べる気力と時間が正直ありませんでしたし、後から知った事もあります。

理由はもちろんそれだけではありませんけどね。

 

その点も踏まえ、医療費は本当に凄くかかります。

よく〝○○ちゃんを守る会〟とか聞いたり目にしたりしませんか?

そのほとんどが 〝拡張型心筋症〟なのですが心臓移植しかないんです。

けど日本で待っていたらいつになるか分かりません。だから渡米するんです。

皆さんの知っているとおりアメリカは、日本の様な医療費負担制度はありませんし、病院によって医療費も異なります。

渡航費用もかかりますが、医療費が高額なので2〜3億円必要になるんですよ。

だから、もし聞いたり目にしたりした時は少額でもいいので募金をお願いしたいです。

少額でも、早く目標金額に達するのが早くなります。

そうすれば、1日でも早く渡米できて移植できるんです。

繋がる命がある。

ここ1〜3年で日本での心臓移植も増えましたがまだまだ少ないんです。

この〝拡張型心筋症〟も後の日記で書くつもりです。

 

最後に知っておくといい機関があるので下に貼りますね!

 

www.heart-mamoru.jp

 守る会は、情報発信や情報交換、本の発行の他にさまざまな活動をされています。

この様な機関があるから、心疾患を持つ子供達、その親は理解を深めたり、色んな支援も安心しておくれます。

それからここから発行されている〝心疾患児者の幸せのために〟という本が発行されてます。

もちろんこの病気の事はもちろん、知識や解説、それから心疾患のお子さんの事やそのご両親の体験談なども書いてあるのでものすごく参考になります。

守る会からも郵送で買えますし、病院にも売っているのでぜひ読んでください。

とても勇気付けられるし、苦しんでいるのは自分たちだけでない事も分かります。

 

 

 

 

 

日本成人先天性心疾患学会

日本成人先天性心疾患学会は、先天性心疾患のお子さんが成人になった時に役立つ情報や支援、セミナーを受けられます。

が、ウチはまだ保育園なんでまだまだ先ですけど、これから成人先天性心疾患の方たちが増えていくにあたっての様々な問題点や改正されているものなど情報として見れるのでぜひ。

 

 

それから入院中や病院通いの時に是非利用したい施設です。

なにかと、病院通う時って上のお子さんや下のお子さんって心配ですよね!

保育園に預けるにも限界があります。

そんな時に事前に申請して手続きすれば上のお子さんや下のお子さんを預けたり、お父さんお母さんも宿泊が可能です。

僕ら自身も病院内に宿泊もありましたけど、近くに施設があるとすごく助かる。

 

 

www.dmhcj.or.jp

 マクドナルドハウスのリンクを貼っているのでご覧下さい。

このマクドナルドハウスは都内だと、成育や東大にあります。

福岡もあるょ。

もちろん全国にあるのでチェックしてくださいね!

 

 

 

www.lilanoie.jp

 リラの家のリンクを貼っているのでご覧下さい。

ここは神奈川県立こども医療センターのみになりますが、歩いて5分くらいの距離です。

ここは僕らも利用させていだだきました!

 

  

 

ホーム - 横浜こぐま園

 横浜こぐま園のリンクを貼ってますのでご覧下さい。

こぐま園は、先天性心疾患の子供達の為の保育園です。

横浜のリンクですが、全国にあるみたいなので地方の方は調べてみてください。

 僕らもここ利用したいと思ったのですが、住んでいる場所から遠かったので諦めました 涙。

けど近くにお住まいの方は利用した方がいいと思いますよ。

きっと保育士さんたちも心疾患についての知識があると思います。

 

 

 

 

blogs.yahoo.co.jp

 それから忘れるところでした~。

こちらは、神奈川県立こども医療センターNICUのブログです。

うちのこのかも大変お世話になりました。

某医療番組でも指導、協力あったNなんで知っている方も多いのでは?

外来で受診のときに、〝あわよくば!〟と思いましたけど、綾野剛には合えませんでした 涙。

2011/09/26

少しお知らせが遅くなりましたが、無事に9月26日に退院しました!
帰ってきて家族4人での生活が始まりにぎやかでとっても楽しいですが、正直まだぼくも奥さんもなれてません。
毎日がフェスティバルのごとく忙しく、楽しく、そして早く過ぎていきます。



〝なんじゃ、そりゃ~!


なことが毎日です。

 

 

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長女はというと、ここぞとばかりに赤ちゃん返りしてしまうし (笑)
このかも帰ってきたばかりなんで、二人で注意をして見ています。
でもここ一週間で少しですが、ぼくら二人のリズムが出てきたのではじめほどは大変ではなくなりました。



でも、まだまだです。



なれていかないといかんですね~っ。
また少し落ち着いたらこの日記に書きます。




でも子供2人は凄いですね。
正直ついていけない時もある。
だけど、にぎやかで楽しいです! 
奥さんも搾乳しながらなんで大変ですが、一生懸命にやっています。
ぼくも精一杯フォローしていかないと。







以上がmixiでの当時のブログです。

前々回で書いたのですが、このかがハイケアー入院中に僕の両親がこのかに会いに上京してきました。

ハイケアーは、長女は入れませんが、僕の両親は面会できます。

なので、ここで初めてこのかを抱っこしてもらいました。

二人ともこのかの病気の事、手術、術後の経過などは電話で話していたので分かってはいると思うんですが、二人とも〝このかちゃん、よくがんばったね!産まれて来てくれてありがとう。〟って言ってくれました。

 

母は早く抱っこしたかったらしく、心配そうに抱きかかえニコニコしながらたくさん話しかけてました。

〝見た目は普通の赤ちゃん、本当にこのかが心疾患って分からんよね~。〟

と言いながら、このかをなでてくれました。

 

父は初め、〝俺はよかよ、見てるだけで。〟

そう言いましたけど、僕たちはどうしてもこのかを抱っこして欲しくて、〝大丈夫だよ!もう手術も終わって僕らも抱っこしてるから。〟と言うとちょっとは安心したみたいで抱っこしてくれました。

 

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あまり笑顔ではないですが、その時に撮った写真です。

これが父にとって、このかにとって、最初で最後になってしまいました。

この9ヶ月後に父は他界。

電話でいつも、〝このかは大丈夫か?〟

と気にかけてくれたり、福岡に帰省したときは、このかに福岡の美味しい魚を食べさせたいといつも言ってました。

それなのに。

待っててくれないものですね。

 

このかが、〝じぃじ〟と会ったのはこの時だけですが、部屋に飾ってある〝じぃじ〟の写真を見せると、しっかりと〝福岡のじぃじ〟って言ってくれます。

それは、このかがもの心ついた時から教えていたことです。

このかには、〝もう亡くなってしまったけど、すごくこのかを心配してくれていた人だよ〟と伝えてました。

 

なんででしょう?

彼女に記憶が無くても憶えてて欲しかったんですよね~。

これからも彼女の中に少しだけでも〝じぃじ〟がいてくれたらと思います。

おかげで、このかは今でも肉より魚が大好きです。

 

房室中隔欠損症と三心房心

 

www.shizuoka-pho.jp

 

房室中隔欠損症は、静岡県立こども病院のリンクを張っていますのでご覧下さい。

 

 

このオペは、パッチを縫い付けてあいている穴を閉じていきます。

閉じる事で肺に流れる血液が適量になり、静脈血と動脈血が混ざり合うことがなくなります。

同時に心不全やチアノーゼが減少します。

 

よく心臓に〝穴〟があいている。

〝穴〟があいているのが見つかった。って聞いた事があると思います。

それが、心室中隔欠損症もしくは、心房中隔欠損症といいます。

心臓のどの部分に穴があいているかでその疾患の名前が違うんです。

 

心房に穴があいている場合〝心房中隔欠損症(しんぼうちゅうかくけっそんしょう)〟は、そのほとんどが自然に消えてなくなることが多いそうです。

それでも塞がらない場合や穴の直径が大きいと〝心臓カテーテル〟での治療を行います。

心室に穴があいている場合〝心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)〟も自然に消えてなくなる事が多いそうです。

こちらは〝心臓カテーテル〟では行わず、オペになるそうです。

あいている穴と同じ位のパッチ(一般的にePTFE(延伸多孔質フッ素樹脂)膜という人工のパッチを使用します)を使い穴を塞ぐオペをしていきます。

 

心房、心室中隔欠損症は、オペになると心臓を止めて手術をしなければいけないので、止めている間は、〝人工心肺装置〟を使うので心配ですよね。

この〝人工心肺装置〟に関しては、改めて書きたいと思います。

 

 

 

 

 

14) 三心房心 | 心臓外科手術情報WEB

 

三心房心(さんしんぼうしん)は、心臓外科手術情報WEBのリンクを貼ってますのでご覧下さい。

 

なかなか聞きなれない病名が続きますね。

この三心房心も分かりやすいの探してリンク貼ってますのでぜひ読んでくださいね~。

簡単に書くと心臓の上の部分、心房が普通2つあります。

左心房、右心房、これが何らかの原因でどちらかの心房の一つの中に筋肉の隔壁ができている状態を三心房心といいます。

このかの場合は右心房に隔壁があり、オペでこの筋肉の隔壁を削り取る手術をしました。

この手術を行うことで右心房に入る血液の循環が良くなります。それから心房を抜ける血液の流れも良くなることで、疲れにくくなり、呼吸不全が解消されます。

 

 

先天性心疾患の種類は、約50種類あると言われています。

その中で多いのは、10種類位です。

その疾患の種類で治療ができる病院が違います。

それから、このかのように産まれる前からのエコー検査で分かることもあれば、産まれて数日で分かる場合もあります。

もちろん産まれてから分かる場合の方が、すごく大変だと思います。

一番は不安。

この先、この子はどうなるんだろう?って考えます。

なぜなら、僕らもそうでしたけどこの先天性心疾患に関して知識がほとんどないワケです。

それから産まれたばかりの赤ちゃんに対してのオペ。

こんな小さな体にメスを入れて、いきなり心臓を止めてオペするなんて考えられませんよね。

だから次から次へとその不安や心配が増していきます。

〝なんでうちの子が〟、〝なんにも悪いことしてないのに〟など思ってしまいます。

そんな時みんな辛い思いをしていますけど、お父さんは赤ちゃんの事もそうですが奥さん(母親)を気づかってください。

きっと母親は自分を責めます。

〝なんで健康な体に産んであげれなかったのか〟、〝自分がもっと気をつけて(妊娠中)いれば〟など、たくさんの事で自分を責めることがあるのでお父さんはできるだけそばにいてあげて、たくさん言葉をかけてください。

それをやるだけでも違うと思うんです。

なぜならこれから家族みんなでこの病気と闘っていきます。この病気はみんなで戦わないといけない病気なんです。

少なくとも僕らはそう感じました。

そして、オペが全て終わり根治したり全ての治療が終わってもそこからが始まりなんですよ。

〝終わった!〟

なんて思わないで下さい。(すいません、ちょっと厳しい事書いてますけど)

その先の治療は続いていきます。

それから検査もです。

この検査もその子、その子で違いますし、新たに経過をみながらやる検査もあります。

その検査もこの先このブログで書いていきます。

このかの場合、最終的にフォンタンを終了しても今までで3回入院、1年に1回は救急車で医療センターに運ばれます。

もちろん彼女の年齢とともに免疫や体力も付いてくるのでこれから減ってくると思いますが、僕らは〝いつ彼女がそうなっても〟と心の準備はしています。

 

 

退院して普通の生活に戻ると勘違いしてしまいます。

〝本当にこの子は心疾患なんだろうか?〟って。

それくらい元気に保育園いったり、外で遊んだり、ご飯も普通に食べますからね。

でも、外来で病院行って検査結果みたり担当医と話したりしていると引き戻されるんです。

〝こっちが現実〟って!

だから、普通の生活を過ごしている時は少しの変化も見逃さないようにしています。

ひょっとしたらこれを読んでいると、〝たいへんだなぁ~〟なんて感じるかも知れませんけど、もうすでに僕らの中では〝当たり前〟になってしまいました 笑。

なんでもそうですが、〝当たり前〟になるとそれが〝普通〟になります。

それからいろんな覚悟を決めているので〝嫌だ〟とか〝辛い〟とか〝めんどくさい〟とか感じたことはありません。

彼女が笑顔になってくれたらそれが一番いいじゃないですか~。

泣いたり、笑ったり、怒ったりできている今の環境やサポート、それに彼女の体の状態に感謝しています。

 

 

 

 

 

 

2011/09/06

早いもので産まれてから38日経ちました。

 

ん~、振り返ると早いですがとてつもなく前のことの様な感じもありますね。 

 

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あれから、乳びきょうは経過を見ながらな状態が続いていて絶食1週間!なんてことも何度かありましたが、昨日面会に行った時点ではMCTミルクを25ccを一日に8回。

基本は哺乳瓶で口からですが、さすがに飲めない時は、鼻から注入しています。
それでも、担当の先生や看護士さんからは乳びきょうの話はないので聞いてみると〝今のところ問題ないです。〟とのことなのでうちの奥さんもさほど気にならなくなってきました。
このかの体重も少し増えて、1800gを越えてきているし、担当医師の話では、2000gを目安に状態がよければ退院という話も出てきています。

 

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おぉ~っ!



こんな状態なんで、最近はもっぱら退院後のことの話が多いとうちの奥さんは言っていました。
いろいろ話を聞いていると、準備する事が多いんですね~。
いそいで、バタバタと少しづつですが、進めています。
それから不安もます。
今までは病院、退院後は家。
なれていかないといけませんね。
それから、このかのことも注意深く見てあげないと。 




一つ心配な事があって、産まれてから心香の左目がなかなか開いてくれません 涙。 
今、平行して見てもらっていますが、どうやら眼瞼下垂みたいです。

 

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担当医に話をしたら、手術をした後、何らかの影響でこういった症状になる赤ちゃんはいるらしいです。
瞳は動いているので、瞼の筋肉に問題があるですね~。
なんか、本当に知らなかった事ばかり出てきます。
関連して起こりうる事が多いので、気がぬけません。 
だから、ほんとみなさん、凄いな~って感じます! 
それから、今さらですが、改めて大事な事も沢山解ってきました。
心臓や血管だけではない部分。
本当に気づかされる事ばかりです。



来週にはうちの家族もみんなで上京してきます。
このかとは初めての面会です。

これも楽しみです。 

あっ、そうそう!
先週、うちの長女とこのかは初めて逢うことができました~。
でも、ハイケア2には入れず、ガラス越しの初対面。

 

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少しは解っているらしく、〝このかちゃん、このかちゃん〟と終始言ってました。
ぼくも、奥さんもこのかが帰った時の長女がどんな感じなのか楽しみです。


2011/08/05

バンディングの手術の後、経過も順調で病室もハイケアーに移り、ミルクも飲めるようになったばかりの事。
8月4日の夜10:30位にぼくの携帯に病院から電話があり、〝明日緊急で手術をするので、朝来てください。〟と言われました。
ぼくも奥さんも〝え!〟でした。
昨日、奥さんはこのかのところへ行き、哺乳瓶でミルクをあげたり、お風呂も入れたりしてきたところなのに。 

 


なんで!?

 


電話ではサチュレーションの数値が悪いことしか聞かされなくて、詳しい事は病院での話しになりました。



急いで病院へ向い早速、担当の医師の方々とお話をしました。

〝まず、レントゲンで左の肺だけに水が溜まっている事で肺の機能が損なわれサチュレーションの数値が低くなっている。
それから、ひょっとしたら、どこかの血管に狭窄があって血液が上手く肺にまわっていないおそれがあり、一箇所などで大きな血管であれば広げる事が出来るが、肺の中の細い血管で、しかも沢山狭窄があると左の肺は使えなくなります。〟と言われました。

肺が使えない=フォンタンには到達できない 涙。 

僕たちは一気に落ちました。
奥さんは初めて聞かされる話でずーっと泣いていました。
ぼくも肺高血圧は知っていましたが、術後の元気なこのかをみたりしていたら、まさかならんだろうと心構えがなってなかったです。

心臓血管外科のA医師によると、〝今はあけてみないとわかりません。まずは三心房心があるので、その隔壁を取り除く事で経過をみます。それからバンドの微調整はもちろん、肺も同時に調べます。現時点でのできうる治療を行っていきます。〟
とおっしゃいました。




ぼくらの願いはただ一つ。




フォンタンはやりたい。




そう願いながら、奥さんはまだ泣いているのでぼくは、このかのところへ面会にいき、奥さんには〝このかの前で泣いていたらがんばれないでしょ、落ち着いたら面会に来て。〟と伝えました。
こんな時、体が二つあれば、このかと奥さんと両方に付いてあげられるのにと本気で思いました。

このかはすやすやお休み中。
手術まで、奥さんと一緒にオムツを変えたり、体を拭いてあげたり、たくさん話かけたりしていました。
ぼくは13:00からどうしても一件仕事があったので、お昼前に病院を出て、夕方には病院へ戻る予定で、後のことを奥さんにたくしました。
こんな時、自営業は辛いですね~。
雇われていれば、変りもいるんで仕事を休みやすいですが、そうは行かない場合があります。
これも自分の選んだ道、少なくとも奥さんは解ってくれてると思いますが、気持ちはやっぱり奥さんやこのかのそばについていてあげたい。 
それでも、奥さんは気持ちよく〝いってらっしゃい、がんばってきてね!〟と声をかけてくれました。




急いでサロンに戻り、お客様をやり、急いで病院へ向いました。
病院についたのが16:20で、奥さんのいる3階の待合に向うと、奥さんが泣いていました。
嫌な思いがよぎり、奥さんにどうだったか聞くと、〝手術は無事に成功で、心臓を止めている時間も8分くらいで結果的には良かったとの事。それから肺にかんしては、なんとリンパから飲んだミルクがもれているのが原因で水が溜まっているそうでした。肺血管の狭窄は確認できなかった。〟とまずは嬉しい知らせ。
ぼくはその言葉を聞いて気が抜けたのか、気づけば奥さんと一緒に泣いていました。


本当によかった~っ。 



それから40分後にこのかに面会できるという事で二人でICUへ行きました。

 

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うちの奥さんはぼくよりも早く走ってベッドまで行き、ぼくが着く頃にはこのかの頭をなでながら〝よくがんばったね!〟と泣いていました。

 

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またこれからが始まりです。
いったいどれ位、いったいあと何回、こんな思いをするんだろう。
ぼくら二人もそうですが、このかはもっと辛いはずです。
そう思うと、改めてこの子のすごさを感じます。
一難去って、また一難。
そのたびにこのかはきっと乗り越えてくれるんだろうと思います。
まだまだひ弱な父親だなぁ~。 
そう感じた瞬間でした。





現時点での心香の近況。

 

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まだICUにいますが、血圧、サチュレーション共に安定してきています。
状態がよければ、明日あたり呼吸器がとれるそうです。
それから、ミルクを少しあげて肺の水の溜まり具合をみます。
一つ残念な事は、今回の肺のことで、母乳が飲めなくなった事。
低脂肪のミルク(MCTミルク)がいいみたいです。
奥さんは術後、毎日このかのところへ行っています。
理由は一つ。〝後悔したくない。〟
でも、無理をしない程度にと伝えていますが、気持ちは解る。
おかげで少しは東戸塚に詳しくなりました。 
最近奥さんといつも言っていることは、〝早く抱っこしたい!〟です。





また落ち着いたら報告しますね~。


肺動脈バンディング

 

肺動脈バンディング

 

www.shizuoka-pho.jp

 

 

このかが産まれてすぐ行った手術です。

今回は、静岡県立こども病院のリンクを貼っていますのでご覧下さい。

 

このかの場合、最終的にフォンタンを目指します。

だから、一時的に肺への血流を制限して心臓への負担を軽くする準備の一つとしてこのバンディングを行いました。

初めての手術だったので、なかなか麻酔が効かない状態が続き、時間がかかりました。

これも赤ちゃんによって麻酔が効きやすい、効きにくいがあるようです。

 

それからこれはどの手術でも気になるところですが、病院によって体の何処を開くか?は違ってくると思いますが、このかの場合は背中の右側の背骨と肩甲骨の間、より肩甲骨に近い場所で肩甲骨の形と同じように切ってありました。

 

手術痕(傷)は、なるべくなら目立たなくしてくれる方がいいですよね!

それは、男の子であれ女の子であれ同じだと思います。

大きくなったときにできれば目立たない様に。

ですが、手術の種類で何処をどの位開くのかは違います。

〝それでもこの子の命が繋がるなら〟と願い心臓血管外科に託します。

この肺動脈バンディングは、難しい手術ではありませんが簡単なものでもありません。

それから、〝人工心肺〟を使わなくていい分、〝合併症〟のリスクも少ないです。

 

このときに初めてこのかに対して、手術をする上で必要な書類にサインしました。

それはあまりにも多く、初めて聞くものや、初めて目にする言葉だらけでした。

この病院、この担当医を信頼してさまざまな書類にサインしていきます。

もちろん説明を受けますが、僕らの心の余裕がありません。

説明を受けるがまま、言われるがままサインをしたのを今でもはっきりと憶えてます。

今思えば、それは信頼して託しているから、信用しているから、きっと成功するって思ってたからなんですよね。

 

 

でもね、今は違います。

 

 

しっかり説明してもらいます!

 

 

しかも細かく。

 

 

麻酔は何を使うのか?

何処からアプローチするのか?

どの位で開胸するのか?

もちろん〝合併症〟の種類でも〝確立が0,8%〟しか無いものでも教えてもらい、説明してもらいます。

カテなら何処の血管から〝シース〟をいれるのか?

たまに、〝放射線量〟。

〝造影剤〟は何を使うのか?

違っていたら、なぜ違う造影剤を使うのか?

それに対してアレルギーの検査はしたのか?

 

手術や〝カテ〟で聞く内容が全く違います。

忘れそうなら、〝コレを聞きたい〟物をノートに書いてその時に聞きます。

 

え~って!

思うでしょう?

僕らはそれ位やります。

それはこれからも。

それはこの先の日記で書きますが、〝ふざけんなぁ!〟って思いをしたからです。

〝これが医療なの?〟

って本気で思いました。

〝悔しい〟って思いしかない。

 

そんな思いをもうしたくないから、カテや手術の時は必ず自分たちが納得してからサインをするようにしています。

 

〝同意書〟にサインする。

それは手術の大きいさや難しさ関係なく、そのこの命や今後の将来を決める書類です。

だから、時間がかかっても、面倒でも、しっかり〝インフォームドコンセント〟をその担当医から聞いてください。

もちろんその手術に関わる担当医と看護師さんに。

これは、僕たちの願いでもあります。

同じ思いを、ご家族やその赤ちゃんにさせたくありません。

たからお願いです。

ご両親の皆様、しっかりとした〝インフォームドコンセント〟をうけてください。

どうか、よろしくお願いいたします。

2011/08/01

8月1日(月曜日)
このかのバンディング手術の日。
朝からこども医療センターへ行き、奥さんが入院している病室で待つことにしました。


予定は11時。


11時を過ぎても連絡がこないので看護士さんに聞いてみると、前の手術が押していて12時30分位になるとのこと。だからNICUに2人でこのかに面会に行く事にしました。
面会に行くと、このかはすやすやお休み中!
やっぱり、何回見ても飽きないですね。
2人で寝ているこのかに話しかけてました。
そうこうしているうちに、NICUの看護士さんから〝これからやります。〟
ということなので、3階の手術室まで2人で見送りに行きました。車椅子に座っている奥さんは泣いていました。
たくさんのやり場のない気持ちと不安。
やはりありますからね。
〝がんばってくるんだよ!〟と声をかけ、手術室の扉が閉まり、このかが見えなくなるまでそこにいました。





それからの時間は、すごく長かったです!
沢山のことを思い、お互い言いながらの時間。
手術が終わったのは4時30分を過ぎていました。
そのままICUに運ばれたこのかに逢いに行くと、ベットの周りには沢山の機械、それから沢山の管がついてました。
生命維持のためだとわかっていても、それを目の当たりにすると心が痛いです。
心臓血管外科のA医師からの説明によると、手術は成功で、麻酔をかけるのに少し時間がかかったみたいです。
これから術後の経過を見ながら、一週間~2週間で産まれてからの検査で新たに見つかった三心房心に対しての手術を、今週あたりもう一度手術をする予定です。その手術をする頃に点滴や呼吸器なども取れ普通にミルクを飲めるようになっているでしょう。
とおっしゃいました。
二人ともビックリで!! 
そんなに早く回復するものなのか?と半信半疑でしたが、寝ているこのかの顔を見ていると、〝なんだかその話もまんざらじゃないのかもしれん〟と感じました。

 

 

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なんだか気づくと、このかからもらうものが沢山あります。




これからも一歩一歩。